米海兵隊基地である岩国基地は、在日米軍や在韓米軍航空機が相互の部隊の移動やアメリカ本土への帰還の際に途中給油を行う中継点としても良く使用されることから様々な航空機が飛来します。
オスプレイが初上陸したのも岩国基地ですし、最近ではF-35Bステルス戦闘機が日本初で配備されました。岩国基地は軍用機の撮影スポットとしても有名で、たくさんの航空機ファンが集まっています。
写真をお借りしている戸村良人さんの「行動の写真集(米軍岩国基地監視)」によると、2013年から2016年の4年間で、米軍機57機・自衛隊機38機・米軍チャーター民間輸送機24機・米軍チャーター民間輸送船・海上自衛隊呉基地所属艦船(26隻)を観測したそうです。
これだけの写真を撮り続けられていることに頭が下がる思いです。まさに行動の写真家!!
「基地を視れば世界がわかる」
世界中で展開している米軍の動向は、今起きている世界情勢に直結しています。
どんな軍用機がいつ、どこから来たのか?
何のために?
今、基地にいる軍用機は?
どこに飛び立ったのか?
とはいえ・・・基地監視には地道な努力が必要です。日々の騒音に慣れてしまって気が付かないこともあります。仕事や学校の帰り道、轟音にふと空を見上げた時、どんな航空機が飛び去って行ったのかがわかると関心も深まるのではないでしょうか?
マニアックなことはわかりませんが、軍用機を見分ける助けになれば幸いです。
米軍用機の尾翼にはテールコード(ベーステールコード)と呼ばれる2文字のアルファベットが書かれています。これはこの機がどの基地のどの部隊に属しているかを判別するものです。
これを調べることで、この機がどこから来たのか知ることができます。
沢山あって大変そうですが、便利なデーターベースで簡単に調べることができますヽ(^o^)丿
このサイトのEnter Tail Code:に調べたいテールコードを入力して検索すると、所属する基地と部隊を調べることができます。
2017年1月、岩国基地に初配備されたステルス戦闘機F-35Bを調べてみましょう。
ちょっと見えにくいですが、尾翼にVKと書かれています。
GLOBEMASTER TAIL CODESのサイトでVKを入力して調べます。
結果は?
次に、所属部隊をクリックしてみます。
英語でわからない・・・という場合、パソコンの素敵な機能を利用しましょう。
すると!!
テールコードVKのこの航空機は、
アメリカ カリフォルニア サンディエゴにあるMCASミラマー米海兵隊基地の
MAW-3(第3航空師団) MAG-11(第11飛行大隊)所属の
VMFA(AW)-121 海上全天候戦闘機攻撃隊121部隊所属だと分かりました。
MCASはMarine Corps Air Station 米海兵隊航空基地
MAWはMarine Aircraft Wing 米海兵隊航空師団
MAGはMarine Aircraft Group 米海兵隊飛行大隊
ちなみに米海兵隊岩国基地は?
米海兵隊太平洋軍第3遠征軍(在日米海兵隊)の
MAW-1(第1航空師団)MAG-12(第12飛行大隊)
VMFA(AW)-242 海上全天候戦闘機攻撃隊242部隊
と、ここで・・・あれ?調べていたのは最新鋭ステルス戦闘機F-35Bのはずでした。
検索結果に出てきた航空機はF/A-18Dホーネットになっています。
そこで、サイトの最終更新日を見てみると・・・2009年になっています。8年も前の情報ですね(>_<)
米海兵隊岩国航空基地の公式ホームページで、F-35Bのニュースを見てみましょう。
http://www.mcasiwakunijp.marines.mil/News/News-Article-Display/Article/1053367/f-35bii/
2017年1月18日、第121海兵戦闘攻撃中隊(VMFA-121)が岩国基地に到着した。
VMFA-121は米海兵隊ユマ航空基地から岩国航空基地へと駐留基地を変更し、第三海兵遠征軍(IIIMEF)、第一海兵航空団(1stMAW)、第12海兵飛行大隊(MAG-12)所属の部隊となる。(中略)
VMFA-121に装備されているF-35BライトニングIIは、現在、岩国基地に配備されているF/A-18ホーネットおよびAV-8BハリアーIIの後継機になる予定。
F-35BはF/A18ホーネットの後継機なので、部隊ごと岩国基地に移駐してきたわけですね。
米軍の組織編成は複雑で変更も多いのですが、テールコードは部隊行動を追うヒントになってくれるようです。